ついに完結!「映画 るろうに剣心 最終章 The Beginning」レビュー

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いのうえ

るろうに剣心 最終章 The Final / The Beginningで待望の映画るろうに剣心シリーズが完結を迎える。

6月4日の公開を目前に控え、一足先に「るろうに剣心 最終章 The Beginning」を鑑賞させていただいた。

 

映画るろうに剣心シリーズは、和月伸宏原作の「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」をベースにした実写映画である。

漫画実写化は失敗すると言われる中、2012年公開のシリーズ第1弾から国内外で話題を呼んだるろうに剣心。

スピーディなアクションで剣心最期の戦いを描く「The Final」、十字傷の秘密に迫る「The Beginning」の2作連続公開で完結を迎える事となった。

本記事では、「The Beginning」の魅力に触れる。

 

INTRODUCTION

動乱の幕末で「人斬り抜刀斎」として暗躍していた緋村剣心。

ある出来事を期に、切れない刀「逆刃刀(さかばとう)」を持ち、るろうにとして殺さずの誓いを立てる。

シリーズ1作目「るろうに剣心」から4作目「るろうに剣心 最終章 The Final」までは、るろうにとしての剣心が描かれている。

 

本作The Beginningは剣心が暗殺者「人斬り抜刀斎」時代の話となる。

強い念の籠った刀傷は消え難い。剣心の頬に残る十字傷の秘密、殺さずの誓いの理由が明かされる。

 

最期の戦い「人誅編」を描くThe Final、全ての始まり「追憶編」を描くThe Beginning

本レビューを書く前に、公開中のThe Finalも鑑賞した。

The Finalがアクションパートとするならば、The Beginningはドラマ中心の構成となっている。The Finalが「動」とするならば、The Beginningは「静」である。

 

The Finalは剣心の義理の弟、雪代縁との死闘が繰り広げられている。

The Beginningは縁の姉であり、剣心の元妻、雪代巴との出会いと別れの悲しい物語。

 

最強の人斬りと恐れられた抜刀斎が心を許した女性とその弟。縁が復讐の修羅と化した理由、剣心が人斬りを辞めた理由。それぞれの想いがシリアスに描かれている。

魅力1.人斬り抜刀斎時代の剣心

るろうにの緋村剣心は、「おろ?」が口癖の心優しい青年であるが、人斬り抜刀斎はそうではない。優しい剣心と冷徹な抜刀斎の2つの性格を演じ分ける佐藤健の演技にも注目して欲しい。

 

しかしながら、逆刃刀の緋村剣心と人斬り抜刀斎は手段は違えど、根底には共通した想いがある。

過酷な人生を歩む抜刀斎が、巴との日々を通して本当の幸せを知る事となる。抜刀斎に笑顔が増える描写は映画オリジナルの表現であるが、あどけない笑顔に心を奪われる。

 

魅力2.実写ならではの世界観

漫画と映画では表現が異なるシーンが度々登場する。

映画は映画としての表現を楽しんで欲しい。

 

佐藤健は「剣心は1人の人間として自分の中に生きている」と語っている。それほどまでに役に没入し、剣心を想い、そして表現しているのがひしひしと伝わる。制作の際にも、積極的に意見を出したそうだ。

 

公開中のThe Finalの中でも、印象的な台詞が登場する。縁との死闘の末、オリジナルの台詞が入っているが、「剣心ならそういう気持ちに違いない」という説得力がある。緋村剣心は佐藤健以外あり得ないというくらい、剣心が剣心として生きている。

 

また、映画版るろうに剣心の魅力と言えば、スピーディーながら地に足が付いたアクション。剣心は飛天御剣流という殺人術の使い手である。

ドラマパート中心の本作でも圧巻の殺陣を鑑賞する事ができる。飛天御剣流の特徴は一対多数の殺人術。るろうにではない、人斬り抜刀斎の飛天御剣流を本作で初めて見ることができる。漫画以上に臨場感ある神速の殺人術は大きな見どころとなっている。

 

魅力3.繊細な心理描写

冷酷な人斬りが自らの剣に疑問を感じる過程が繊細に表現されている。雪代巴との邂逅から「新時代とは」「平和とは」「幸せとは」様々な想いを抱え人間らしさを取り戻す剣心。

 

有村架純演じる巴もまた、剣心との触れ合いの中で大きく心が揺れ動く。

巴はミステリアスで表情の変化が少ない。漆黒の瞳の奥に巴の強さや優しさが見事に表現されている。

 

また、天誅の暗く緊迫した空気、巴との暮らしの穏やかな日差し、2人の運命を暗示するかのような吹雪など、環境演出も見逃せない。

 

魅力4.シリーズを通して楽しめる

時系列で並べると、The Beginningが最初のストーリーである。

The Beginning観賞後、一作目に戻ると新たな見方ができるはずである。

The Beginningの重要なシーンが各シリーズに繰り返し登場しており、剣心が十字傷の一件を背負いながら生きている事が想察できる。同時に本作無しではシリーズを終われない事も伝わるはずだ。

 

超大作、「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」。1人の侍の生き様を是非見届けて欲しい。

 


6月4日(金)全国ロードショー


作品情報

るろうに剣心 最終章 The Beginning

佐藤 健 有村架純

高橋一生 村上虹郎 安藤政信

北村一輝 江口洋介

原作:和月伸宏「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」(集英社ジャンプ コミックス刊)

監督/脚本:大友啓史

音楽:佐藤直紀

主題歌:ONE OK ROCK

製作:映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会

 

制作プロダクション/配給:ワーナー・ブラザース映画
© 和月伸宏/ 集英社 ©2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会

映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」公式HP

 

るろうに剣心 最終章 The Final  大友監督インタビュー記事はコチラ

 

プロフィール
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いのうえ
WEBクリエイター(デザイン/コーディング) サイトリニューアル、デザインの他、企業系大規模サイト、ECサイトの制作・運営などに携わる。fellowsでのセミナー講師経験もあり。 ここでは個人的に情報収集・発信している日本文化とデザインについて紹介していきます。

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