西武鉄道創業110周年!なのに銚子電鉄のぬれ煎餅を売ってた件
今年の5月7日は西武鉄道110周年!
明治45(1912)年に前身である武蔵野鉄道が創立し、昭和21(1946)年に西部農業鉄道と合併して現在の名称になったそうです。
沿線民の日々の暮らしはもちろん、池袋や所沢でショッピングも、秩父や多摩湖で観光も楽しめちゃう。さらにJR新大久保駅でセンイル広告(有名人の広告をファンが出す、韓国発の文化)の募集の告知がSNSで注目されたり、豊島園跡地にできるワーナーブラザース スタジオツアー東京‐メイキングオブハリー・ポッター」開業に向けて池袋駅と豊島園駅をハリポタ風にリニューアル予定だったりと、「『あれも、これも、かなう。』のキャッチコピーを地で行ってる」と評価してる人もいるとかいないとか。
日経 BPコンサルティングによると、日本は創業100年・200年超の企業が世界一多いそうです。ということは、明治〜大正時代の頃から存続している商売上手な会社がたくさんあるということ。
事実、日本社会は明治時代初期の文明開化で、現在のコロナ禍に匹敵するほどの大変化があったはず。その頃に会社を作った人たちは、かなり頭が柔らかかったのではないでしょうか。
さて、せっかくの周年のタイミングなので、記念とか限定とかのグッズ売ってないかな〜? とウロウロしていたら……
ん?
銚子電鉄のぬれ煎餅!?
なんかよくわかりませんが、駅の売店で千葉のローカル線「銚子電鉄(銚子電気鉄道)」のグッズ(というか食べ物)が売ってました。1袋5枚入りで450円。他の駅でも売ってるようです。
これ、テレビで「鉄道会社の経営危機を救った、奇跡のぬれ煎餅」と話題になってたのを見たことがあります。気になってたけど銚子は遠いので、なかなかお目にかかれないと思ってました。まさかこんなところで買えるなんて……。
味は、銚子特産醤油の香ばしい香りとガツンとくるしょっぱさで飲み物マストの「赤の濃い口味」(中央)、だしの旨みが噛めば噛むほど口に広がる「青のうす口味」(右)、甘みとコクでお子様にもオススメの「緑の甘口味」(左)の3種類。
普通のおせんべいより大きく(CDくらいの直径)、醤油がたっぷり染み込んでるおかげでしっとりずっしり。柔らかいので手でちぎれるし、歯の弱いお年寄りでも食べやすいと思います。ちょっと値が張りますが、1枚で大満足。お値段以上のクオリティでめっちゃおいしい……。
それにしても、相互乗り入れや直通運転やってる訳でもなく(仮にやるとしたら線路がとんでもないことになる)、本拠地が埼玉県の企業である西武鉄道が、永遠のライバル・千葉県の銚子電鉄のものを売って応援するって……その懐の深さには感服します。
調べたところ、銚子電鉄も大正11(1923)年創業で来年100周年を迎えるそうです。9駅しかなく営業距離も6.4kmと西武鉄道より小規模ですが、それでも100年続けられているということは、ぬれ煎餅のヒットだけではない独自性や強みがあるのだと思います。
昨今は起業ブーム。新しい会社がどんどん誕生していますが、逆に老舗企業がなぜここまで長寿でいられるのかも注目したいところ。
時代の流れに合わせた柔軟性とか、取引先や顧客との信頼関係とか、深掘りしていくと勉強になるかも知れませんね。