都内にある伊達政宗公ゆかりの地。東京に「仙台」がありました
仙台市のシンボルのひとつである伊達政宗公の騎馬像が、3月の福島県沖地震で足首にヒビが入り、像が大きく傾いてしまいました。
東日本大震災の時に倒壊することなく、復興する街を仙台城址から見守ってくれていた存在だったので、仙台・宮城……もとい旧伊達藩の人々は大層ショックを受けました。
騎馬像は今月5日に台座から切り離されて東京に搬入。現在は専門業者が修復作業を行なってくれているそうです。
元の位置に戻るのは2023年3月の予定とのこと。修復費用として約5000万円かかるそうですが、決して潤沢とは言い難い財政状況の仙台市が、迷いなく、そして迅速にそれだけの費用を捻出するということは……市民にとってあの像がどれほど大切なものか、おわかりいただけるかと思います。
政宗様が東京、というか江戸にお見えになるのは実に400年ぶり。実は伊達藩は江戸にお屋敷を構え、公共工事も請け負っていた歴史があるそうです。
ちょっと《練馬を出て》お出かけしてみましょう。
まずは日比谷公園(千代田区)。
都会の中に整備されたオアシス、コンクリートジャングルの中で癒しと緑を人びとに与え続ける憩いの場です。
こちらにかつて徳川家康が政宗様に与えた伊達藩最初の江戸屋敷があり、そこが伊達政宗公終焉の地だったそうです。最期を過ごしたのは仙台じゃなかった……意外かも?
看板前を素通りする人もたくさんいますが、中には足を止めて看板を読んでくれる人もいるようです。
そういえば、以前歴代のNHK大河ドラマで人気投票した結果「独眼竜政宗」が1位!ということがありました。放映当時からの政宗様ファンも結構いらっしゃるのかもしれません。
続いて「仙台堀川」(江東区)。
こちらも伊達藩ゆかりの地で、仙台藩から持ってきた米をこちらの運河を利用して運び込んだことから「仙台堀」と呼ばれるようになったそうです。
そして麻布十番の「仙台坂」(港区)。
都内屈指のオシャレタウンになっているこちらにも、かつて伊達藩のお屋敷があったそうです。屋敷に隣接していた坂が、そのように呼ばれるようになったそうです。
日比谷公園の看板は仙台市設置のようですが、仙台坂の標識は港区の尽力によって設置されたものだそうです。
仙台坂下交差点のものはピカピカですが、
仙台坂上交差点のものは年季が入っています。それだけ、この場所が地域の皆さんに親しまれてきたということでしょうか。ありがてぇなや〜。
他にも神田や品川など、都内にはまだまだ仙台と深い関係のある場所がありますので、頃合いを見てまた行ってみたいと思います。1日じゃ全部は無理でした……。
多くの人が行き交い、長く日本の中心を担ってきた東京。もしかすると、皆さんの出身地と深い関わりのある場所がほかにも都内にあるかも知れませんね。