陶芸作家・酒井智也さん個展 「これなに?」が楽しい独特でポップな作品

金沢
ライター
いんぎらぁと 手仕事のまちから
しお

金沢のギャラリー「creava」で、陶芸家・酒井智也さんの個展が8月末まで開催されていた。

酒井さんは自動車部品工場の元社員として金属加工に従事し、その後美術教諭もしていたという異色の経歴を持つ。現在は愛知県瀬戸市を拠点にユニークな陶芸作品を制作している。

酒井さんの作品は花や動物といった具体的な形やオーソドックスな器ではなく、見る人によって見え方が違う独特な造形が特徴的だ。

酒井智也さんはろくろで作った粘土の部品を組み合わせて素焼きしたものを「おもしろいかたちをしたキャンバス」と捉え、さらに固定観念を裏切るようなカラーリングを施すという。

作家の意図として、どのような見え方やイメージになるか鑑賞者の経験や記憶に由来する作品を目指している。

この作品群がだんだんポケモンに見えてきたのは、間違いなくわたしの経験だろう…

オブジェとも器ともとれる作品。なんだか喋りかけてきそうでかわいい。

酒井さんの作品は海外のアートファンからも注目を集めているという。

なんだか強い言い方になってしまう気もするが、絵画でも映画でも舞台でも「作品」というのは作家側から見る側に「概念を押し付ける」ことが多いように思う。そして、それこそが作り手や作家さんの主張だったり個性だったりするから、その概念も含めて「作品」なのだと考える。

しかし、酒井さんの作品の概念は鑑賞者の感性によって作られる。それなのに、主張や個性はしっかりと伝わってくる。なんとも不思議で素敵な作品である。

あなたは酒井さんの作品を通してどんなイメージを持つだろうか。

取材協力:
atelier&gallery creava
〒920-0865 石川県金沢市長町2-6-51

プロフィール
ライター
しお
ブランニュー古都。 ふるくてあたらしいが混在する金沢に生まれ育ち、最近ますますこの街が好きです。 タウン情報サイトの記者やインターネット回線系のまとめ記事などを執筆しながら見つけたもの、感じたことをレポートします。 てんとうむししゃ代表。

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