「美ら海おきなわ文化祭 太鼓の祭典」沖縄に太鼓が響く
「美ら海おきなわ文化祭 太鼓の祭典」へ行ってきた。
同イベントは第37回国民文化祭ならびに第22回全国障害者芸術・文化祭の一環として開催され、他にも人形劇の祭典や俳句、詩・連句の祭典、かるたや将棋、健康マージャンの全国大会まで日本中の文化や伝統芸能がギュギュっと集まる文化庁主催のお祭りである。
毎年、開催都市を変えて行われるのだが、今年は沖縄県が舞台。
訳あって関係者として国民文化祭に参加したのだが、全国から選ばれた26組の太鼓チームが沖縄県名護市に集まるということで、和太鼓好きとしては観るしかないのです!
これだけ全国から各地を代表する太鼓団体が集まると、土地土地の特徴や個性が出ていて面白い。
私は身体と心に響く和太鼓がただ好きなだけのド素人なので、専門的なことは何一つわからないのだけど、日本各所の伝統的な打法や独自のリズムと比べても、沖縄の太鼓はノリが良くて聞いていてとても楽しい。
恐らく「カチャーシー」という手首をひねりながら三線や太鼓にあわせて舞い踊る姿は、実際にやると絶対に難しいのだろうが、思わず気軽に入っていけそうな南国の懐の深さ、広さを感じる。
また、沖縄県嘉手納町の「總管太鼓同志会 舞葵琉太鼓 嘉手納町連合青年会 嘉手納町東区獅子舞保存会」は太鼓の演奏とともに、7~8人の男性が扱う大きな白龍と、本土で見慣れた胴体が毛卍文模様(けまんもんと読みます、唐草模様に似ているアレね)の獅子とは違う、毛糸のようなふさふさした胴体の大陸っぽい獅子が戦いを演じ、迫力があった。
ステージいっぱいの大きな白龍を持って駆け回る演者さんたちがカッコ良く、もともと獅子舞も大好きなのでいいものを観た。
東北は盛岡の郷土芸能で頭に蓮華の花を模した笠を被り、太鼓を一人一人前に担いで踊りながら叩く「岩手盛岡さんさ踊り清流」も素敵だった。
踊りに太鼓の撥(バチ)を取り入れていて、テンポが速いのに息の合った、とても楽しい演奏だった。
また、宮崎県の「橘太鼓 響座」や大分県「豊の国ゆふいん源流太鼓」といった大御所チームは当然ながら圧巻のステージ。
同じ人間の動きとは思えない目にも止まらぬ撥さばきは、太鼓に興味がない人も一度観ておいてソンはないと思う。
地元の石川県からはゲスト出演として、能登・輪島の無形文化財「御陣乗太鼓保存会」、公募団体として楽しい能登の祭りを沖縄でも再現した「志賀豊年力太鼓保存会」、6月にクリエイターズアイでも単独コンサートの様子をレポートした「和太鼓サスケ」が出場。
御陣乗太鼓は顔に面を付け、鬼気迫る動きや打ち方で周りを威嚇する独特な太鼓だ。
たった一台の長胴太鼓でこんなに力強い演奏ができるのかというほど、面姿の異質なインパクトを差し引いても凄みがあるすごい伝統芸能だ。
能登に観光に来たらホテルのショーなどでも演じていることがあるので、機会があればぜひ観てほしい。
「和太鼓サスケ」はメンバー全員が高校生以下と若いチームながら、他団体にも引けを取らないキレのある演奏だった。
4種類の太鼓を使いメインパートをサブパートが追随して聴かせる「山鳴り」、お客さんに手拍子を求めながら元気いっぱいに叩く「虫送り」を演奏し、盛り上がった客席からは沖縄特有の指笛が聞かれた。
「美ら海おきなわ文化祭2022」は11月27日まで、沖縄県内各所で行われる。
2023年度の国民文化祭は石川県で開催されるので、また全国各地の素晴らしい太鼓演奏を地元で聴けると思うと楽しみだ。
美ら島おきなわ文化祭2022
第37回国民文化祭、第22回全国障害者芸術・文化祭
開催日:2022年10月22日(土)~2022年11月27日(日)
公式サイト:https://okinawa-bunkasai2022.jp/
問い合わせ先:美ら島おきなわ文化祭2022沖縄県実行員会事務局
(沖縄県文化観光スポーツ部文化振興課 国民文化祭・障害者芸術文化祭準備室)
E-mail:kokubunsai@pref.okinawa.lg.jp
「太鼓の祭典」
開催日:2022年11月6日(日)
主催:
文化庁 厚生労働省 沖縄県 沖縄県教育委員会 名護市 名護市教育委員会
美ら島おきなわ文化祭2022沖縄県実行委員会 美ら島おきなわ文化祭2022名護市実行委員会
公益財団法人日本太鼓財団
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