赤の他人に東北弁を『サービス』で喋った話。方言や訛りって、聞いてみたいですか?
首都圏のJRの駅で、時々東北物産展が出展しています。
普段、池袋の「宮城ふるさとプラザ」で買い物ばかりしている自分にとって、出身である宮城県以外の東北5県の食品を入手できる貴重な機会。見かけたら必ず覗くようにしています。
ある日、上野駅構内で大々的に催されているタイミングに出くわしました。山形の「のし梅」に「ミルクケーキ」、福島の「クルミゆべし」「ままどおる」……好物が一堂に会するなんてラッキー!!(※甘いものばかりじゃん。というツッコミはナシで)
懐かしいなぁ……どれか買っちゃおうかなぁ……と眺めていたら、隣にいたおばあさんに話しかけられました。
「ねぇ、いわきって岩手?」
「いえ、いわきは福島です」
「いわきは『あまちゃん』じゃないの?」
「あー、『あまちゃん』は岩手の久慈です。いわきは(スパリゾート)ハワイアンズとアクアマリン福島です。どちらかというと『八重の桜』ですね。でもあれは会津若松が舞台なので、反対の西側ですが……」
「ふーん……」
話す私の顔を見て、おばあさんが“何か”を探っているのがわかりました。
私もすぐ、その“何か”を察しました。
「……お姉ちゃん、出身どこ?」
「……仙台ですー」
おばあさんはちょっと嬉しそうな顔になりました。
テキストにするとわかりませんが、この「仙台ですー」のイントネーションを東北訛りにして言いました。
標準語だと「〈せ〉んだい」と、アクセントが先頭に来ますが、東北弁だと「せん〈だ〉い」と後ろになります。
私は仙台出身ですが、地元にいた時からそれほど訛ってはいませんでした。
方言で喋ろうと意識すればできますが、基本標準語。
仙台という街は東北6県から人が集まっていますが、「都会の仙台に行くんだから、訛って笑われないようにしないと……」と、わざわざ方言を直した人が多数いる街でもあります。なので案外、訛る機会がなかったりします。
以前、NHK朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」で「幼馴染のりょーちんが、本音を話している時は方言、本心を隠している時は標準語になっている」とお話しさせていただきました。
このことからもわかるように、多くの東北人は「気心知れた相手に本音で話す時は方言」が出ます。「東北出身のあの人、最近訛りがひどくて何いってるかわからなくなった……」という人が身近にもしいらっしゃいましたら、それはあなたと仲良くなれた、ということでご容赦願います。
逆に、今回のように初対面でいきなり訛ってる東北人がいたら、意図的に、わざと、サービスが何かでそう喋ってるんだろうな……と、ちょっと想像していただけたら幸いです(たまに、本当に訛ってる人もいますけどね!!)。
で、例のおばあさんですが、5分ほど東北訛りをサービスして立ち話したところ満足していただけたらしく、近くのパン屋で買ったというチョココロネをくれて去っていきました。
それにしても、なぜ私が東北出身とわかったんだろう……まだ東京に馴染めてないのかなぁ。