「読書に特化した店」に行ってきた。
ある日、SNSをぼんやりと眺めていると、「読書専用の静かな店です。」という、思わず二度見してしまうツイートが流れてきた。
「読書専用の店」というありそうでなさそうな言葉の繋がりが私の脳を打った。
カフェでぼんやりとその日買った本を読むことは私にとって至福の時間なのだが、「読書に特化した店」なるものがあったとは。
そのお店は「fuzkue」というとても素敵な名前だった。
何時間でも居れるような落ち着いた素敵なインテリア。
どうぞ長居をしてくださいという今までありそうでなかったシステム。
何より胸を打ったのは、お店のホームページにあった一文だ。
「映画に映画館があるように」
「街にひとつくらい、読書に特化した店があるのもいい」
「ほんとそれ!」と声に出して言いたくなった。もしかすると、声に出していたかもしれない。
家でも読書をすることはするけれど、読書のための静かで落ち着いた環境があるかと言えばあまりなく。
カフェでもしょっちゅう本を読むけれど、2時間も3時間も居れるわけではなく。
食い入るようにお店のホームページを次々読んでいくと、「これはもう絶対行きたい」というか「行かねばならない」というよくわからない使命感まで生まれてきた。
早速予約を取ろうとしたのだが、どのくらいの時間にするか、迷った。
『まあさすがにここまでには帰るだろう+1時間」くらいの、時間が気にならない程度にゆとりを持った設定にしていただくことをおすすめします。』
とのことだったので、4時間の滞在予約をしてみた。
いくらなんでも帰るだろう。
そんなわけで当日は、こちらのお店で美味しいコーヒーを注文し、小腹が空いたのでピザトーストなどもいただき、もちろん買ってきた本も読みふけり、時々スマホも気にしたりして。
我ながら落ち着きがないなとは思うが、素敵な環境で幸せな読書時間を過ごさせていただいた。
結果、「いくらなんでも」の4時間が瞬く間に過ぎた。
真面目な話、秒で過ぎていったという印象だった。
他のお客さんもぽつりぽつりと居て、それぞれがそれぞれに読書時間を楽しんでいたのがまた良かった。
どの店舗も自宅からは少し時間がかかるのだが、自分のリフレッシュのためにサウナに行くように、映画に行くように、ライブに行くように、今年はこちらの読書に特化した店にも通い続けようと思った。
本好きの方にはおすすめなので、ぜひ行ってみては。
fuzkue | 本の読める店フヅクエ