あの世はそんなに甘くない(らしい)。
祝、50回!
先日、お葬式で「納棺式」というものに立ち会いました。
葬儀の前に故人を棺におさめて花や思い出の品を入れる儀式ですね。
私、お葬式というものがそれほど嫌いではありません。
なぜかと言うと普段の生活では見ることのできないお祈りアイテムをあれこれと
ウォッチングできるから。
巨大な木魚と鈴(りん)、お坊さんが読経の途中で水をすくってピッピッっとやる
長い木の棒(なんと呼ぶのだろう)、お袈裟に描かれた文様など、焼香の順番を
待ちながら飽きずに眺めていたりします。
故人の身支度を整える納棺式もしかり。
この世のものではあるけれど、あの世で使う不思議な装備が満載であります。
三途の川の渡し賃である「六文銭」を入れる頭陀袋(ずだぶくろ)、
時代劇にはわりと出てくるけど手の甲を覆う手甲(てっこう)、
最近は付けている仏様を見ないですが幽霊のアイコンでもある三角の頭巾(ずきん)。
※数年前にサコッシュのブームがありましたよね。そのとき某大手セレクトショップが
とても小さなオフホワイトのサコッシュ(S)を発売したんですけれど
「コレどこかで見た気が…」と思ったら三途の川の渡し賃を入れる頭陀袋でした。
お世話をしてくださったのは女性の納棺師さん。とても丁寧な仕事をされる方で、頭陀袋や頭巾など
装備の名前はもちろん、どんなシーンで使うのかその役割をわかりやすく語ってくださいます。
そして彼女の説明から見えてくる「あの世」が自分の想像とはかなり違っていたことに驚きました。
「こちらが笠です。三途の川までは遠い道程となります。そのあいだ雨風から防いでくれます」
(俺 : え、遠いの? 天気悪いの? もっとこう..スーッと船着き場まで楽に着くイメージだった)
「こちらが草履です。道には石ころがたくさんあるので足をカバーしてくれるんですね」
(俺 : 道が悪いのか!? 少し汚いけどあのニューバランス持ってくるんだった。。)
「杖もあります。体を支えるものですが道中は魔物が出ることもあるのでその時は杖で闘います」
(俺 : ドラクエ??? ヨシヒコ????)
きっと私がもの知らずなのでしょう。天国へ行くまでは相当ハードなミッションらしいです。
特に魔物ですよね。。。棺には歴代ペット達の写真(猫2名、犬3名)が入っていたけれど
あの程度の助っ人で勝てるのかどうか。。いや、猫けっこう強いし! とかいろいろと思いました。
ちなみに装備は絵に描いたものでもOKです(頭陀袋の中の六文銭は紙に書かれた絵)。
よし! 自分の時にはたくさんの武器とソロキャンプ用品(共に絵)を用意して逝きたいと思います。
注) あの世の世界観やディテールは宗教・宗派によって違いがあります。