ちょっとマニアックな博物館めぐり②ニュースパーク(日本新聞博物館)
2024年のスーパーいわちゃんねる!クリ目版(要するに岩崎担当のクリエイターズステーション投稿)は、「ちょっとマニアックな博物館めぐり」をテーマにお届けします。
2月は「ニュースパーク(日本新聞博物館)」です。
まず、ぜひ行っていただきたいのが3階の新聞閲覧室。壁にビシッと並んでいるのは、日本新聞協会に加盟している全国の約120紙。1週間分閲覧できます(スタッフさんが毎日入れ替えているそうです)。
ここでは各紙のレイアウトやデザインの比較ができます。これってとんでもないことなんです。
例えば、大きなニュースがあると各社同じように1面で大きく取り上げます。
パッと見ではすぐにはわかりませんが、実は同じニュースを扱っていても各社微妙にレイアウトやデザインが違います。なぜなら紙面の割付を担当している人(整理記者)が違うからなんですね。
見出しひとつを見ても、まず記者が上げてきた記事を基にどのような文言にするか。縦組みか横組みか、地紋(見出しの背景模様)はどうするか……1つの話題をテーマに、一斉に、短時間で、全国各地の担当者がどのように仕上げて表現するのか。担当者の力量だけではなく、各社のスタンスや地域的な差も顕著に現れます。
これを現物を並べて検証できる場は全国的に見ても大変貴重です。北海道と沖縄を並べてみたり、「山」がつく県の新聞社を並べてみたり……。色々遊べると思いますので、ぜひやってみてください。
このほかにも、同館では時々新聞広告に関するコピーライターやデザイナー向けの企画を開催しているそうです。
現在は企画展として、4月14日まで「2023年 報道写真展」が開催されており、昨年を振り返る作品が未掲載分も含めて約300点展示されています。
臨場感・躍動感あふれる作品は思わず息を呑んでしまいますし、報道関係者しか入れない場所でシャッターを切られた作品は、撮った人がどんな状況だったかを想像するとワクワクします。
今後の企画など、詳しくは博物館のホームページやSNSをチェックしてくださいね。
さて、われわれクリエイターは言わずもがな表現する媒体=披露する場が重要になってきますが、新聞は特に昔から縁があるものではないでしょうか。
今ではほとんどの作業がデジタル化されており指先一つでやり取りできますが、つい1世紀〜半世紀くらい前まではそうではありませんでした。
新聞という媒体が今日のように至るまでどのような歴史を歩んできたかを学べるのが、同じく3階の常設展示「新聞のあゆみ」エリアです。
ニュースパークがある横浜の地は日刊新聞発祥の地とされていますが、昔は、特に活版印刷の時代は新聞を1部刷るのにものすごい労力が要りました。
当時は使用後に溶かして再利用していた印刷板の、現存する貴重な1枚は必見です。
また、1階エントランスにあるシンボルモニュメントの輪転機も圧巻です。現在一般的に使われているマシンより大きいそうですが、これくらいの場所と材料がないと新聞を刷れなかった時代があったんだなぁ……と、技術の進歩をしみじみと感じられるはず。
近頃はSNSの発達で、ショッキングな情報が流れてきたり、逆に自分たちが誰かを傷つける情報を流してしまう・誤って拡散してしまう可能性が高くなりました。
クリエイターである以前に、現代を生きる一個人として、この情報社会にどのように向き合っていくか。同館はそのことも教えてくださいます。
常設展示の「情報社会と新聞」のエリアでは、現代社会の情報量をプロジェクションマッピングで可視化した「情報タイムトンネル」や、情報リテラシーを学べるコーナーがあります。つい忘れてしまいがちなマナーや心構えを、イラスト付きでわかりやすく解説されているので、訪れた際はぜひじっくりご覧くださいね。
●開館時間
10:00~17:00(最終入館16:30)
●休館日
月曜日(月曜日が祝日の場合は次の平日)、12月29日~1月4日)
●所在地
〒231-8311 横浜市中区日本大通11 横浜情報文化センター(受付は2階です)
● アクセス
〈電車〉みなとみらい線「日本大通り駅」3番情文センター口直結/JR・横浜市営地下鉄「関内駅」から徒歩10分
〈バス〉横浜市営バス 「日本大通り駅県庁前」から徒歩1分
〈車〉首都高速 「横浜公園出口」から 約3分
●入館料
一般 400円
大学生 300円
高校生 200円
中学生以下 無料
20人以上の団体は100円引き(要事前予約)、障がい者手帳掲示の場合は提示した人と付添1人は無料
(2024年2月16日時点、最新情報はホームページhttps://newspark.jpから)