7回洗えば〇〇の味⁉ ついに解禁! 今が旬の広島名物

広島
コピーライター、エディター
Kyoko Kittaka
橘髙京子

6月10日、広島に夏の訪れを告げる「コ(小)イワシ」の漁が広島湾一帯で解禁された。コイワシとはカタクチイワシのことで、広島県ではこの名称で親しまれている。旬は6月~8月。この時季はスーパーの鮮魚売り場に並んでいるのをよく見かける。もちろん、なじみの居酒屋さんのメニューにも登場! よく注文するのが、お刺身。コイワシのお刺身は全国的にも珍しいらしい。漁場が近く、新鮮なものを手に入れやすいからなのだろう。

県内の漁獲量の60~70%を占めているという、コイワシ。広島のソウルフードともいえる魚だが、実は、わたしがコイワシ料理を食べるようになったのは、大人になってからだ。実家の食卓には多彩な魚料理が出ていたが、コイワシ料理を食べた記憶がない。コイワシの主な漁場は県西部だそうで、わたしが県東部(福山市)出身だからなのか⁉ 福山市内にもコイワシ料理のある居酒屋さんがあるので、備後地区でも昔から食べられていたのかも知れないが「コイワシ料理といえば、広島市の名物」というイメージが強い。福山市の小魚というと、ネブト(テンジクダイ)を一番に思い浮かべる。

この記事を書きながら、ふと思い出したのが、幼少時代、いりこ(煮干し)をよくおやつに食べていたことだ。西日本ではカタクチイワシを加工したものが多いそうなので、知らないうちにコイワシを食べていた可能性が…! そんな、わたしの大好きないりこ。実家に常備してあったのは、おやつ用ではなく、母が味噌汁や麺つゆのダシをとるために買っていたものなので「食べすぎないように!」と注意されていたな…(笑)。ちなみに、カタクチイワシの稚魚のシラスも広島名物のひとつ。音戸(呉市)や尾道の「ちりめんじゃこ(シラス干し)」が有名で、お土産や贈り物としても人気だ。

コイワシの美味しさを表現した諺に「7回洗えば鯛の味」がある。広島に観光に来られた人には、ぜひ、その味を体感していただきたい。今年もおいしいコイワシに出合えて幸せな気分になった。大自然の恵みに感謝!

プロフィール
コピーライター、エディター
橘髙京子
大学卒業後、広告代理店のコピーライターや出版社の編集者・ライターとして勤務。現在は映像業界のプロデューサー、フリーライターとして活動中。

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