ビッグサイトに「ちいかわ」たちも襲来!?『第15回コンテンツ東京』7月3~5日開催中

東京
クリエイターズステーション編集部
editor.FMN
編集部FMN

※本展「コンテンツ東京」は業界関係者のための商談展です。一般の方のご入場はできません。

今年で15回目の開催を迎えた、日本最大のコンテンツビジネス総合展『第15回コンテンツ東京』。イベントは7月3日(水)~5日(金)の計3日間で、

1)ライセンシング ジャパン(キャラクター&ブランド活用展)
2)クリエイターEXPO
3)映像・CG制作展
4)先端デジタルテクノロジー展
5)広告クリエイティブ・マーケティングEXPO

という5つのテーマで展示会が行われている。

「コンテンツ東京」大いに盛り上がるイベントの様子!

イベントでは、コンテンツの制作から権利周り、ブランディングや表現技術など、企業のコンテンツ活用に関するあらゆる悩みを一気通貫で相談できる。同日に開催中の『第4回XR総合展【夏】』、『第2回メタバース総合展【夏】』と合わせると、出展社数は800社以上に及ぶ。
筆者が参加したのは、イベント初日の7月3日。到着するとすでに多くの人で賑わい、自社サービスをPRするための活気あふれる呼び込みが会場にこだまする。

横を向けばそこかしこで名刺交換が行われ、中には早速商談を開始するブースもあった。開始10分程度で両手はパンフレットでいっぱいになり、コンテンツ業界の盛り上がりを推し量るに十分すぎる幕開けとなった。

会場には、ウェブ広告・印刷会社・SEOといった分野から、VR/AR・マンガ・アイドル・イラストなど、あらゆるコンテンツ企業のブースが並ぶ。

tokidoki LLC

株式会社DD

普段、オフィスにいるだけではわからなかったコンテンツビジネスも、こうして多数の企業が並ぶと、時代とともにその表現技術やサービスの提供方法も多様になっていることを肌身で感じることができる。

2024年キャラクター大賞開催!気になるグランプリは…?

初日のコンテンツ東京では、キャラクターおよびライセンスビジネス業界のアワード「日本キャラクター大賞2024」の授賞式も開催された。日本のライセンスビジネス産業の価値を広く社会に発信し、業界の健全な発展に寄与するために創設されたイベントで、『【推しの子】』、『機動戦士ガンダム』シリーズ、『葬送のフリーレン』などがそれぞれ受賞した。

そして栄えあるグランプリを獲得したのは…

ちいかわ!!!!!!!!!

会場には受賞に伴い、同アニメのキャラクターであるハチワレ、うさぎも来場。会場の参加者らとともに祝福の舞いを披露してくれた。

グランプリを受賞した『ちいかわ』は、独特の世界観でファンシーキャラクター会を席巻し、アニメだけでなくリアル店舗・イベント・コラボ商品などあらゆるジャンルの展開を行っている。広くファン層拡大に繋げていった部分が、主な受賞理由となった。
(引用:https://www.charabiz.com/award/news/20240619.html

その他の受賞作品は以下の通り。

キャラクター・ライセンス賞:『【推しの子】』、『機動戦士ガンダム シリーズ』、『ちいかわ』
・ニューフェイス賞:『葬送のフリーレン』
・プロダクト・ライセンシー賞:『一番くじ』
・プロモーション・ライセンシー賞:『ハッピーセット ハローキティ50周年』
・リテイル賞:『セサミストリートマーケット』
・選定委員特別賞:『プリキュアシリーズ』

出展がそのまま、仕事につながる「クリエイターEXPO」

最後に訪問したのは、Web・書籍・コミック・ゲームなどの個人クリエイターらが出展する「クリエイターEXPO」。およそ10ジャンルのクリエイターが日本中から集結し、ポートフォリオをもとにその場で案件獲得まで相談可能な展示会だ。

今回は実際に展示会を行った方の中から、2人のクリエイターにインタビューを実施!クリエイターEXPOの感想や、普段の仕事内容に迫った。

モンスター・動物特化型イラストレーター・碧さん

一人目は、今回5度目の出展となる「モンスター・動物特化型」のイラストレーター・碧さん。可愛いorかっこいいモンスターや動物のイラストを得意としており、普段はイラストレーターの傍(かたわ)ら、専門学校の講師も担当している。

幼少期の頃から『ポケットモンスター』『デジモンアドベンチャー』などに登場するモンスターを見たり、描くのが大好きだったという碧さん。動物やモンスターを描くことの魅力を尋ねると、このように語ってくれた。

「もともと、人物画はあまり興味がなかったんです(笑)。 “こういうモンスターや動物がいたらいいなあ”という願望のほうが強く、それを形にしていくのが本当に楽しくて。作品を煌びやかに彩るような、可愛くてかっこいい絵を、これからも描いていきたいと思っています」

人物画と同様に、動物・モンスターデザインにもトレンドがある。絵柄や構図、エフェクトなど移り変わりも激しく、クリエイター側が案件に合わせ、絵柄を変えなければいけないケースも少なくない。

ただ最近の碧さんは、企業の依頼に合わせるだけでなく、「碧さんの得意な絵柄で描いてください!」という依頼も増えてきたとのこと。親しみやすいデフォルメタイプや、独自のオリジナルタイプなど、自身の得意分野を生かしつつ、媒体やサービスに合わせたイラスト制作を行っている。

「見た人が直感で“可愛い!”“かっこいい!”と一目でわかるようなデザインを意識しています。鮮やかな色使いで、見た人が一瞬で惹き込まれるよう、今日の出展ブースもこだわってみました」

クリエイターEXPOへの出展を通し、カプセルトイやカードゲームのお仕事にもつながったという碧さん。今後も多くのニーズに応えるべく、イベントへの出展や自身のイラストの鍛錬に努めていきたいと語ってくれた。

ボードゲームクリエイター 野村紹夫さん

続いて話を伺ったのは、40年もの間、ボードゲームを中心としたアナログゲームを制作し続けている野村紹夫さん(有限会社ルートイレブン)。ファミリーコンピュータ(任天堂株式会社)の登場で“テレビゲーム”が日本に旋風を巻き起こした1980年代からアナログゲームを作り続けており、2015年・16年にはヨーロッパ屈指のアナログゲーム見本市「SPIEL Essen」にも出展している。

8年ほど前から「クリエイターEXPO」への出展を行っているという野村さん。手掛けるアナログゲームは娯楽用だけでなく、企業研修用など用途も多岐にわたるが、なんと現在の仕事の多くが「クリエイターEXPO」における出会いから始まっているという。

「前々回のクリエイターEXPOで会った人から直接お話があったり、突然メールでお仕事をいただいたりと、このイベントを通してさまざまなご縁をいただいています。飛び込み営業などとは違い、イベントであれば伝えたい内容をしっかり訴求でき、来場者もコンテンツにアンテナを張っている人がほとんどです。お話もスムーズに進みやすく、これまでゲームを作ろうと思っていなかった人に新たなきっかけを与えられるという意味でも、このイベントが持つ効果は大きいですね」

80年代にテレビゲームが登場した際は、“アナログゲームは古い”という風潮もあり、衰退の一途をたどるとも思われた。だが、世代も変わりテレビゲームが当たり前になってくると、アナログゲーム特有の“みんなで集まって楽しむ”という利点に斬新さを見出す流れが生まれ始める。

そのほか、トレーディングカードゲームの隆盛、国内最大規模のアナログゲームイベント「ゲームマーケット」の台頭などもあり、アナログゲームの需要はむしろ増えてきていると野村さんは語る。

作品を発表する機会が増えることで、個人でアナログゲームを作るクリエイターも増えてきた。最後に、40年にわたりクリエイティブの前線を走ってきた野村さんに、クリエイターへのメッセージをお願いした。

憧れたものだけを目指さない方が、クリエイターは面白いと思うんです。マンガが好きだからマンガ家になる。ゲームが好きだからゲームクリエイターになる…。そんな流れが良しとされていますが、個人的には少し斜に構えています。

自分の理想は大事ですが、それに固執せず、目の前の需要や気になることにとにかく飛び込んでみて、意地でも食らいつく。そうすることで自分の引き出しも増え、自分のポジションを確立でき、やがて自分の核となるものが見つかる。自分にとってはそれが“ボードゲーム”だったんです。

自分の頭で全部考えて、自分の中で筋道を立ててしまうのではなく、社会に順応しながら自分の場所を持つことがクリエイターに必要なことだと思います。寄り道したっていいじゃないですか。案外楽しいもんですよ」

3日間にわたって行われた、コンテンツの祭典

かつてはある種“型”のようなものがあったコンテンツの消費行動や表現方法は、時代・世代の変化に伴い大きく変わってきている。

一方向だったコンテンツの楽しみ方は、配信サービスやSNSの登場により双方向となり、マスメディア1強のエンターテインメントは、推し活の流行もあり“ファンと一緒にクリエイターを育てる”という形が当たり前になった。

表現技術・購買プロセスは多様化し、“これだけやれば必ず成功!”といったノウハウは、群雄割拠のコンテンツ業界においては通用しない。どれだけデジタルが発達しようと、顔を合わせ、作品やサービスを直接見て、手触りで感じることでしか得られないことは山ほどある。何としても、この作品を世に届けたい・自社のサービスを知ってほしい…クリエイターやコンテンツ事業者が持つそんな熱意を、ダイレクトに感じられるイベントとなった。

主催のRX Japan株式会社では、「コンテンツ東京」をはじめとする業界関係者向けの見本市を定期的に開催している。現場の活気や熱量、業界自体のパワーとエネルギーを一気に知れる貴重な機会。ぜひ、今後も開催される多くのイベントにも足を運んでみてほしい。

※本展は業界関係者のための商談展です。一般の方のご入場はできません。
※記事の写真はすべて、許可を取り撮影しています。

●展示会名:第15回コンテンツ東京
●会期:2024年7月3日(水)~5日(金)10時~17時
●主催:RX Japan株式会社
●公式サイト:https://www.content-tokyo.jp/hub/ja-jp.html

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