人が繋いできた芸術を体感してみる~「空間と作品」展に行ってきた~

東京
ライター
来た、見た、行った!
かつら ひさこ

東京駅から5分ほどの場所にあるアーティゾン美術館で現在開催中の、「空間と作品」展に行ってきた。

本展は、 綺麗に展示された作品をただ鑑賞するのではなく、空間を使って作品を体感するような展示もあると聞き、それだけでもうわくわくした。

 

印象に残った展示のひとつが、広々としたスペースにピカソの絵画『腕を組んですわるサルタンバンク』だけが飾られており、そこに、ゆったりとした椅子がいくつか並べられている。

 

わたしが鑑賞している時、たまたままったくのひとりだったので、椅子に座りながらただただ作品と向かい合っての時間を過ごした。

まるで自分の家にピカソの絵画が飾られてでもいるような、不思議な気持ちで。

 

このような、観ている人のイメージや感覚、想像力に訴えかけてくる展示というのはなかなかなく、本展が面白いなと思うところはそこだった。

 

中央にどんと置かれたダイニングテーブルを囲むピサロの四季の絵。

広々としたスペースにひっそりたたずむモニュメントと絵画。

和室の障子に描かれた丸山応挙の鳥の絵。

絵画を美しく飾る額縁の数々と人、そして歴史。

 

人によって創られ、人の手によって受け継がれ、共に過ごし、長い時間をかけて存在してきた数々の作品たち。

作品は、芸術家が創り上げて完成なのではなく、観る人がいて、それを繋げて関わっていく人がいてこそなのかもしれない。

 

ところでアーティゾン美術館には初めて行ったのだが、こちらの建物の内部もとても素敵で、またぜひ行ってみたい。

「空間と作品」展は10月14日(月)までとなっているので、興味のある方は芸術の秋にぜひ。

 

 

展覧会名:空間と作品

会期:2024年7月27日[土] – 10月14日[月]

開館時間:10:00ー18:00(毎週金曜日は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで

休館日:月曜日(10月14日は開館)

主催:公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館

プロフィール
ライター
かつら ひさこ
1975年札幌市生まれ。自分が思い描いていた予定より随分早めの結婚、出産、育児を経て、ライティングを中心とした仕事を始める。毒にも薬にもならない読みやすい文章を書くことがモットー。趣味はクイズ、お茶を飲みながらぼんやりすること。

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