AdobeMAX2025①
2月13日に東京ビッグサイトで行われたAdobeMAX。コロナの酷かった期間のオンラインを経て、今年から有償のイベント、かつ基本的に社会人向け(成人以上)にターゲットを変えたこともあり、初心者~中級・上級者関わらず、参加者がとても意欲的になっているように感じました。
その分人気のセッションは早めに席がきれるなどのトラブルもありましたが、開催回数を増やし、なるべく多くの人が入れるように環境が整えられたり、隙間の時間の小さなセッションなども場所と時間で差別化しスムーズに行われていたり……ランチタイムセッションの代わりに購入しやすいお昼どころを用意してくれたりと工夫が随所に見受けられました。
企業ブースも各所に設けられており、新商品・新サービスの説明や自社のみならずAdobeに提供する新しい情報を提示したり……と有益なものが多くありました。ちなみにフェローズのブースもみました(笑)
今回はまずAdobeMAXの雑感をお届けします。(次回はもう少し未来の話や的を絞ってのお話もしたいと思います)
まず今回会場はビッグサイトの7~8ホールで、手前に大きな企業がイベントをしていたこともあり、混ざりやすい状況ではあったのですが、誘導はスムーズでした。当日満席が予定されていたキーノート。これを見に行っている方や、ネットでチェックする方も多いと思います。
私はあいにく席を手に入れることが出来たにもかかわらず、当日ゆりかもめの強風による遅延で迂回を余儀なくされ、遅刻しての入場になりました。ですが、ここで、「今Adobeはこれをしている」「こういうサービスが強くなっていく」「こういう企業と組んでいる」という分かりやすいツボと、新しくできるようになった新バージョンの簡単な説明を同時に行ってくれたので、前半ネットで聞きつつ合流し、状況を把握することは可能でした。
今回の印象ですが、AI……とにかくAI……しかし色々問題視されている著作権的な部分もこみで、Adobeがクリアに独自AIを使わせていきたいという流れと、結果おべっか抜きに、「Adobeのツールを使ってきた既存デザイナー・クリエイター」だからこそ出来る部分の協調という流れを見ました。
少し前までのAdobeMAXのトーンでは、一般に広くAdobe製品をすすめてプロユースから脱却していくイメージが強かったのです。また今回のセッションでも、初心者やデザイナーやクリエイターでない営業マンや、全てを包括して自分で行わねばならない中小企業の事務職や、一人社長に対してのモノももちろん多く時間がとられていました。ただ一方で、どうやってツールと共存していくかというAIとデザイナーの対立の話ではなく「どうやってツールの中に入ったAI部分も使いこなしていくか」というプロ向けのかなり建設的な話、実際の事例も含めたセッションもあり、同時に、時短になる分特化していく「味」にも焦点があたるようになってきたようにかんじます。
AIのセッションについては多めに受講してきたので、次回またまとめたいとおもいますが、出来ることは格段に増えています。
またpremiere proの会(昨年記事にあげたユーザーグループのお話に引き続きになりますが)がサブステージで行った合間の30分ほどのセッションや、Vtuberのセッションなどニッチだけれど知りたい&知らなければならない人が確実にいるジャンルのセッションが結構な人数を集めていたことにも注目したいと思います。Adobeはユーザーの声をちゃんと吸い上げてくれる会社ですので、この辺りの小さなグループの意見がまとまって、改善にもつながっているようでした。バグがどうなったか、新しい機能で使えそうなものは何か?などTipsをさらう貴重な機会です。
セッションが終わったら、恒例のビアーバッシュ。DJ・VJタイムでAdobeカクテルをいただきながら乾杯です。近場の知らない人でも溶け込める時間ですが、今回は特に参加者同士のコンタクトをとれるような仕掛けはなかったので、ざっくり知人に声をかけておわりました。
が、その代わりに、最後の最後……Sneaks Adobeという次に実装されていくだろうAdobe製品のサービスを発表しており、そのサプライズに周りの人と思わず見つめあったり手を叩きあうシーンも……。新しい情報についてはリンクにもかいてありますが、個人的に凄いと思ったものを取り上げてみます。
・ベクターデータのイラストが、勝手に向きを変えられる?!
写真を見ていただくと分かるのですが、真正面をむいたイラストを、AIを使って向かい合わせにさせる……疑似3D化が勝手にできるような機能ができます。
これはすごいとしか言いようがなく……細かい絵でも、例えば後ろ姿が全く想像されていないキャラクターの後ろ姿のデザインでも大丈夫なのです。
もう1つは、画像を馴染ませる方法。光源がバラバラの写真も同じ光源下で撮影したかのように合成できるのです。こちらについては、次回もう少し詳しく語りたいと思いますが、兎に角「細かいことができる」「かゆいところにちょっとずつ手がとどくように」なることは確かです。
戦慄を覚える方もいるでしょうか、会場の雰囲気でいうと、「ならどうやって使おう」「どうやって自分は作ろう」というポジティブな意識を感じました。
やはり最新を追う人や、一つの道を究めるために追及していく人はエネルギッシュですね。次回は個人的に着目しているAIと制作についてをお送りします。
