招待状がLINEで!「結婚式」のアップデートに驚く

福岡
ライター
kosaka
香坂

4月某日、数年ぶりに結婚式に参列してきた。

 

 

 

半年以上前から打診されてはいたものの、いざ招待状が届くと以前認識していたそれとはだいぶ様変わりしていて、改めて月日の流れを感じ取る。

 

結婚式の招待状といえば、洗練されたデザインの紙の封筒にカードが入っていて、そこに「ご出席」「ご欠席」と書かれているイメージだ。

 

浅学ゆえに届くたび「確か“ご”は消すんだっけ…」「寿で消すのってどこだっけ…」と迷い調べてしまうのだが、今回は難なく完了することができた。

 

なぜかというと、LINEで招待状が届いたからである。

かといって、いつもの調子で「会場はここです。来てね!」と言われたわけではない。

案内の通りURLにアクセスした瞬間、正式な招待状のページに飛ぶという画期的な仕様で、そこには新郎新婦が華やかに着飾った写真や日時、当日の注意事項などが記載されていた。

 

紙の招待状もそれはそれで醍醐味があるものだが、こちらはとにかく返信に手間がかからず、挙式日もスマホさえ忘れなければ常にそのページで必要な情報を確認できるのが助かる。

 

また、これは良くも悪くもといったところか、LINEならではの気安さで一言メッセージを自分らしい言葉で送りやすい気もした。

個人的な話、紙の場合は手描きの緊張感も相まって文章がやや他人行儀になってしまいがちなのだ。

 

 

 

いざ挙式を迎えた当日にも、(無論友人夫婦の気遣いによるところが大きいが)現代的な工夫が見える点は多々見受けられた。

特に印象的だったのが、結婚式ではお馴染みのブーケトスだ。

 

従来は未婚の女性が集まるのが一般的なところ、今回は男女を問わず誰でも参加できる方式で、全員が平等に並ぶこととなった。

 

それというのも、ブーケの中身が「新婦こだわりのコスメセット」もしくは「こだわりグルメセット」という内容だったからだ。

 

天高らかに振り上げられたご褒美ブーケは、前者は女性、後者は男性と無事それぞれに参列者の懐へ収まった。

 

正直、皆がこれほど必死になってブーケを追いかけたのも初めてのことだったと思う。

 

 

 

その他にも披露宴では「カラードレスの色当てクイズ」をはじめ趣向が凝らされた催しが多く、あっという間のひと時であった。

 

(入場の際にお持ちのペンライトを振って盛り上げてください、と書いてあったため、貸す分も必要では?と3本持って行ったらちゃんと会場にサイリウムが用意してあり抜かりないなあと思うなど……それはそれとして3本ともバッチリ活躍できました)

 

結婚式はコーディネーターの方やスタッフさんたちの力もあれど、当人たちの個性も色濃く出るのだなあ、と毎度感心させられる。

 

 

 

伝統を礎として、時代とともに人々の価値観に寄り添い形を変えてゆく。

幸福のものさしが各々異なるように、“ハレ”の表現も夫婦の数だけ存在するのだ。

その非日常を彩る一人になれたことを喜びつつ、心から前途を祝福したい。

プロフィール
ライター
香坂
オリジナル会葬礼状のライター業を経て、現在はWEB系のフリーライターとして活動中。漢字とひらがなのバランスに悩むのが好き。仕事におけるモットーは「わかりやすく、きれいに」。趣味はお酒・アイドル・展覧会鑑賞・化粧品。創作は何を書いても不穏な雰囲気になるのが強み、かもしれない。

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