ライターに必要な「質と量」の話
ライターの端くれとして、ライターに求められる「質と量」について話そう。一部私見が混ざっていることをお許しいただきたい。
まずは質について。
もし ①原稿を仕上げるのが早くて文章が上手 ②仕上げるのが早くて文章がヘタ ③仕上げるのが遅くて文章が上手 ④仕上げるのが遅くて文章が下手 ……な4人がいたとしたら、誰から順番に選ばれるだろうか。ベストはもちろん「①早くて文手い」だし、アウトは「④遅くてヘタ」だ。では、2番目は誰だ?
私が知っている会社は、どこも「②早くてヘタ が良い」と言っている。理由は「早くチェックできれば、その分ゆとりを持って良い文章に直せるから」だ。必ずしも良い文章を書けるだけが良いライターではないことを頭の隅に置いておきたい。
これは基本的なことなので、ライター養成講座や書籍などで教わるだろう。ここから先は私の経験に基づく私見になるので、参考になれば幸いだ。
では、もし担当する原稿のテーマや話題について ①知っていて文章が上手 ②知っていて文章がヘタ ③知らなくて文章が上手 ④知らなくてヘタ ……の4人がいたとしたら、当然ながらベストは①だしアウトは④だ。では2番目は?
答えは「③知らなくて文章が上手」。このタイプはきちんと取材や情報収集ができれば原稿を作れるので、状況に応じて取材・聞き込み先や資料の手配などを行えば良い。無知は決して恥ずかしいことではい。むしろまっさらな状態で臨んだ方が思い込みによる脳内ブロックがないので、時に多くの情報を得られてプラスになる場合もあることをご承知おきいただきたい。
反対に「②知っていてヘタ」は、知識だけが先行して表現力が追いついていないので何を言いたいのか分からない文章になりやすい。こうなると、原稿を確認する側もライターが何を書きたかったのか想像して修正・加筆しなければならないので、頭を使うし非常に大変である。
そして量について。原稿本数をたくさん書けるのは申し分ないが、文字数に関しては「たくさん書けるから良いライター」とは一概には言えない。ほとんどの原稿は文字数が定められているが、場合によっては原稿用紙1枚にも満たない文字量でまとめなければいけないこともある。短くまとめる・長くまとめるのが得意な方には、それぞれが得意を生かして活躍できるフィールドがあるはずだ。
余談だが、紙媒体の場合は掲載スペースの都合で「不必要」と判断された部分をバッサリ斬られる可能性があることも知っておいてほしい。特にマスコミ関係ではよくある話である。
以上を踏まえ、
●質=1番はスピード。知識はあって越したことはないが、無くてもなんとかできる。読みやすい文章を心がける。
●量=本数をたくさん書けて、求められる文字数に応じてまとめられるようになる
ぜひこの2つを心がければあなたも素敵なライターになれるだろう。私もまだ道半ば…ともに前に進んでいけたら幸いだ。