「こびとづかんの町つるぎ」から究極のクリエイティブを考える
あなたはこびとを信じますか?
うちの小学2年生の次男は、いまだにホトケアカバネを探しています。
子どもたちに人気の絵本「こびとづかん」シリーズ。
作者のなばたとしたかさんの出身地であることにちなみ、昨年石川県白山市の鶴来町では町おこしの一環として「こびとづかんの町つるぎ」を宣言しました。
鶴来町内にはところどころにこびとづかんのキャラクターの行灯などがあり、まち歩きをしながらこびとさがしができます。
鶴来町には古い町屋も多く、地域の方々が景観づくりにも力を入れているので、商店街沿いを見て回るだけでも楽しいのですが、美しい街並みとキモカワなこびとたちが相まって、唯一無二の地区になっています。
鶴来町内で配布しているこびとMAPは、観光スポットごとにこびとの目撃情報がのっており、スタンプラリーもできますよ。
たとえば、180年前に建てられた町屋を使った無料休憩所「横町うらら館」には掃除してくれるというハタキツボネの目撃情報があったり、金運のパワースポットとして人気の「金劔宮(きんけんぐう)」にはタカラコガネが隠れているとされていたり。
観光スポットにより愛着や魅力を感じるようなMAPになっており、ついつい大人の私もこびとに出会えないか期待してしまいます。
さっそく、子どもたちと鶴来本町商店街のスタンプポイントを回ってみました。
スタンプポイントのひとつに、夏オープンしたばかりのこびと百貨店もあります。
このこびと百貨店は商店街にあるカメラ屋さんの一角に併設されているというのも、なんだか素敵です。
こびと百貨店で押せるのは、動物の毛のなかに棲むという「カクレケダマ」のスタンプでした。
また、鶴来町内のいくつかのお店では、こびとづかんにちなんだオリジナル商品が販売されており、カクレモモジリの上生菓子やクサマダラオオコビトをイメージしたスムージーなどを提供しています。
鶴来町がある白山市には、石川県・福井県・富山県をまたぐ霊峰・白山があり、いつかは登ってみたいと何年も思っているのですが、そんな白山の室堂にも新種のこびとがいるらしく!
頑張って登山がてらスタンプを押しに行きたい!と、野望を抱いています。
キャラクターを使った町おこしは数あれど、新しく作ることだけではなく、その土地にもともとあるものとの融合や、町の中心部だけでなく広い範囲で訪れた人を回遊させる工夫がとても素晴らしいと感じました。
町とは何十年、何百年も前からずっとそこにあるものですが、町「づくり」という言葉もあるほど、これほどまでにいつまでも完成しないものはないのでは。
「そのまま残す」と「新しく作る」。絶妙な引き算と足し算が必要な町づくりは究極のクリエイティブだなーと思ったりしながら、こびとづかんの町を歩くのでした。