絵になる木になる
観光都市と呼ばれる場所に住む人なら「あるある」だと思うが、地元の人間は街の代名詞にもなっているような観光スポットにはあまり行かない。
たとえば、金沢だと「ひがし茶屋街」や「長町武家屋敷」はこの仕事をしてから取材のために生まれて初めて行ったし、「兼六園」や「金沢21世紀美術館」は北陸新幹線が開通して観光客が一気に増えてから、「わざわざ混んでるところ行かなくても…」と足が遠のいている。
そのくせ、好んで心斎橋で人波に揉まれてみたり、はとバスで浅草まで行って浅草寺にもたどり着けず退散したりするのは、何なんでしょうね。
先日長町武家屋敷近くで取材があり、秋の良く晴れた日に行ってきました。
長町武家屋敷は、加賀藩で上流・中流クラスのお武家様が住んでいた屋敷や街並みがそのまま残されているエリアです。
長町武家屋敷通りに入ると、今歩いてきた繁華街・片町よりも多くの人!
修学旅行風の学生さんや若い女性にカップル、とくに海外からのお客さまの姿が目につきました。
皆さん、手に手にスマホやカメラを持って、武家屋敷の風景をパチリパチリ。
ディスプレイに写る撮りたてほやほやの写真を見て、「Oh,Good」と仰る白髪の外国人女性。
わたしも釣られて、「滅多に来ないしなぁ」と写真を撮ってみました。
Oh,Good!すごく、映える。下手くそながら、「金沢らしい」写真が撮れてしまった。
なんですかね、観光地の魅力って目で見るのもいいけど、ファインダー越しだとより光ること、ありますよね。
土塀に写る木の陰すら、絵になる。
佇むおばんざい屋さんがフォトジェニック。
地元だからって、観光に来られている方が熱心に写真撮られているのを斜に構えてちゃダメですね。
こんな風景があることを観光に来られた方よりも知らないなんて地元民失格だなと、深く反省した秋晴れの日なのでした。