ガラスは透明のみにあらず
富山県の気になるスポットに行ってきました。
長らく老舗デパートが入っていた建物が、新たに文化施設として生まれ変わった「TOYAMA キラリ」。
「富山市ガラス美術館」や「富山市立図書館」などが入居しています。
設計は新国立競技場も手掛けた、建築家の隈研吾さん。
建築についてまったく知識がないので恥ずかしいのですが、これまでも九谷焼の体験施設「CERABO KUTANI」という建物の美しさに感動し、調べると隈さんが設計されたものだと知りました。
今回もあとから知ってなるほどと感服した、素敵な建物です。
下から見上げるよりも、6階までエスカレーターを昇ってからのぞき込むのがオススメ。
やさしい木の温もりと、吹き抜けから自然の陽の光をいっぱいに浴びて、パワーをもらえそうです。
今回、1番のお目当ては「富山市ガラス美術館」で6月7日まで開催中の「コレクション展」。
撮影は不可だったのですが、同館のホームページで見たアエサ・ビョルクさんの「ShieldⅡ」という作品が見てみたかったのです。
薄いガラスの膜に人が封じ込められているような、神秘的で奇妙で身体の中からなにやら禍々しいものが湧き出てくる作品でした。
ガラスって無色透明なイメージで、どちらかというと日常的で身近なものです。
でも、ガラス美術館で見た作品はわたしの持つガラスの印象を打ち砕き、くすんでいて掠れていてダークな一面も教えてくれました。
ただひとつ、それでもなおきらきらと光る、そのベタでこそゆるぎない特徴だけは変わらない。
ガラスってこんなにいろんな顔があるんだなぁと知りました。
こちらは写真撮影可能だった企画展「ミクロコスモス」でのひとコマ。
見つめれば見つめるほど複雑で、色合いが美しい作品群でした。
一方、こちらもガラスなのです。糸のようなグラスファイバーがまるで繭のよう。
不思議なガラスの作品に、心まで透き通っていくようでした。