謎解きはからくりのあとで
謎解きは昔から変わらない、人気コンテンツですよね。
ゴールデンタイムにテレビをつけると、必ずといっていいほど謎解きやクイズ系の番組がやっている気がします。
わたしは謎解きが苦手です。頭が固いのです。そして、せっかちなのです。
アイデアや言葉をひらめくためには、間違いなく必要なスキルなんでしょうが、クイズを出されたその2秒後には答えを知りたがります。
解くまでのプロセスがじれったくて耐えられません。
そんなわたしも、金沢の港町・大野地区にある「からくり記念館」では、不思議とじっくり謎に取り組めました。
「からくり記念館」は江戸時代、大野でからくり師としてさまざまな発明品を世に誕生させた大野弁吉について紹介するミュージアムです。
あわせて、からくりの仕組みができるまでの歴史、からくり人形やからくりを使った展示などが見られます。
日本海と金沢港を臨むロケーション
「からくり性を持たせた」という建築美にも注目したいところ。
今ではあまりめずらしくなくなった店先のペッパーくんや、人間の「面倒くさがり」という特性をますます助長させてくれるスマートスピーカーなど、AI搭載のロボットがどんどん日常に馴染んでいく中、単純で制限のある「からくり」って味があります。
これが…こうなる。
これも…こうなる、と。
そういえば子どもの頃、「キテレツ大百科」が好きだったなぁ。キテレツの祖先・奇天烈斎様も、からくり師で発明家だったのではなかったかしら。
そして、「からくり記念館」には自由に触れるからくりパズルなるものが、円形の展示室に沿うように並べられています。
要は立体パズルなのですが、「からくり」を解かなければいけません。
たとえば、この「アンティークラジオ」。
一見、木製の置物です。どこも開きません、開く素振りも見せません。
ただし、3つ並んだダイヤルはぐるぐると回ります…
まずはチューナーの目印を左の扉の中心にくるように揃えます。すると、ここが開きます!
次に、チューニングメーターと同じ方向にダイヤルの目印をあわせます。すると、ここが開きます!
まあ、自力では解けませんでしたけど…(この裏にヒントがちゃんとあります)
このからくりパズルも面白かったです。その名も「パレット」。
どうしたら下の引き出しが開くか、考えてみてくださいね。
ヒントは、それぞれの引き出しの取っ手「紫」「オレンジ」「緑」はパレットにどの色とどの色を混ぜて作るか…です。
上の絵の具がレバーになっています。
単純なんですが、とんちのように一捻り。からくりを解くためのカギが粋というか、痛快というか。
強情に固く閉じた目の前の木箱にじっくりと向かい合う。
なにかと自粛なこの時勢に、時間を忘れて楽しめそうな遊びを見つけた気がしました。