モノクロの写真のカラー化による「記憶の解凍」

東京
ライター
来た、見た、行った!
かつらひさこ

8月は、歴史を振り返ることが多い月だ。

戦争末期、日本でどんなことが起きたのか、なぜこのようなことが起きたか。どのようにすべきだったのかなど、じっくりと考えるにはよい機会だと思う。

 

今年は戦後75年。当時どういったことが起きていたのかを語ってくださる方々も高齢化が進んでいる。

時代は平成から令和に移り変わり、昭和という時代がますます歴史の中の、本の上でしか知らない時代になりつつある。

 

スマホで写真を撮ってSNSなどにアップすることが多い昨今、モノクロ写真はそれだけで遠い歴史の中の、自分とは関係のない世界のお話に感じがちだ。

 

ところが先日、テレビで戦時中のモノクロ写真をカラー化した写真が紹介されていた。

歴史の中のワンシーンに色が付けられただけで、これはまぎれもなく現実として起きたことである、と脳が認識した。驚きだった。

 

こちらは東京大学教授の渡邉英徳氏と同学1年の庭田杏珠さんによる、戦前・戦時中のモノクロ写真を、最新のAI技術と当事者の記憶を元にカラー化する試み「記憶の解凍」プロジェクトによるもので、それらをまとめた著書『AIとカラー化写真でよみがえる戦前・戦争(光文社)』が先月発売された。

そのうちの作品はTwitterの「#記憶の解凍」でいくつか追うことができる。

 

先日の「Creators Eye」で紹介されていた「#ひろしまタイムライン」もそうだが、戦時中を生きた方の記憶を現代の技術を使ってリアルに伝えていく、面白い試みが行われているなと感じる。

興味のある方はぜひ読んでみては。

プロフィール
ライター
かつらひさこ
1975年札幌市生まれ。自分が思い描いていた予定より随分早めの結婚、出産、育児を経て、7年前からライティングを中心とした仕事を始める。毒にも薬にもならない読みやすい文章を書くことがモットー。趣味はクイズと人間観察。

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