練馬を代表するレジャー施設「としまえん」が、8月末で閉園した。うん10年前の夏休みに親戚に連れられ最高の思い出を作らせてもらい、その記憶を頼りに期待に胸膨らませて上京した身として、悲しいことこの上ないニュースである。涙しか出ない。

　閉園迫った8月某日、最後の勇姿を見届けようと1日フリーパスを買って1人で突撃してきた（新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために家族や親戚、友人などを東京に呼べなかっただけで、決してぼっちということではないことをあらかじめ明記しておく）。そこで見た「94年の歴史展　としまえんの卒業アルバム」がとってもクリエイティブ的に面白かったのでご紹介する。

　名前の通りとしまえん94年の歩みが拝見できる展示だが、その中でも歴代のCM動画や新聞広告に目がいった。

　金槌を水の中に落とすCMを作ったり、水着姿の故・野村沙知代氏をカルーセルエルドラドの木馬に乗せて写真撮ったり……と、笑っていいのかどうか微妙なラインのシュールなPRを数多く打ち出していたようだ。企画者は何を考え、そしてこのPRを見た当時の人はとしまえんに対してどのような印象を抱いていたのだろうか。

　そもそも、このPRでGOサインを出したとしまえん本部が寛容だし、出演した大物芸能人たちも懐（ふところ）が広すぎる。その事実だけで「いろんな意味ですごい場所だ」ということが伝わってくる（と思う）。

　戦後やバブル時代の広告やパンフレットも展示してあったので、生まれてもいない時代にちょっとだけタイムスリップした気分にもなれた。

　貴重な資料を惜しみなく出せるのは、積み重ねてきた歴史と信頼の為せる技。最後の大盤振る舞い、とくと拝見させていただいた。としまえんよ、永遠なれ！！